命ある限り。

こんにちは。

今日の和歌山は快晴。
日ましに暖かくなり、
動いていると半袖でも大丈夫です。

少し間があいてしましましたが、
先日の東北への支援活動の続きを書きたいと思います。

初日の夜は女川のホテルで宿泊しました。
石巻では復興関係の業者の方たちで慢性的な宿泊施設不足となってるそうです。
現場近くでは宿泊施設も流されてしまっているため、
近隣のホテルや民宿は常に満室状態。
もし、ゴールデンウィークに復興支援を考えてる方は、
事前にきっちり状況を調べていくか、キャンプ道具を持参することをおススメします。

2日目は牡鹿半島の小渕浜へ。
女川からの道中、とても綺麗な朝の景色を見る事が出来ました。

今回、小渕浜へ行くに当たり、
事前に様子を伺ったところ、
今はワカメの時期の最盛期でとても忙しくしているとの事でした。
そこで、僕達はその作業を手伝いに向かうことにしたのです。

その様子が分っていましたが、
山から浜に下りていく中、
僕の目に飛び込んできたのは、現代の日本とは思えない風景でした。

ほとんどの建屋を津波で失った浜では、
いたる所から湯気が立ち上り、
青空の下、多くの人が作業をしていました。

同じ水産加工をする僕にとっては、
僕が生まれる遥か前にタイムスリップした感覚でした。

僕達はさっそく仕事着に着替え、
手伝える仕事を教えてもらい、
仕事に参加させてもらいました。

これはメカブを茎からとる作業。

専用の器具を使うと面白いように簡単に取れました。

そして、こちらは釜茹で作業。

僕とコウセイさんが手伝っているの所が投入口。

そして、湯気で上手く写ってない所が釜です。
釜の中には海水が入っていて、
サッと湯通しをする感じです。
そして、すぐに次の水槽に移され、
冷まします。
カービーが居るところがその水槽。
ここには冷たい海水が入っています。

そして、この後に洗濯機の様なところで塩もみ(塩蔵)されます。

形や細かいところは違えど、
これらは僕が普段やっている仕事と、さほど変わらない感じでした。

他にも出荷までの作業をたくさん手伝わさせて頂きました。

いつも笑顔で迎えてくれる木村ヨシテルさん。
今回もヨシテルさんに大変お世話になりました。


photo by Shinsuke Matsukawa

ヨシテルさんはきっと邪魔な部分も多かった僕達に、一日の作業が終わった際、
『今日は本当に楽しく仕事が出来た。最高の1日だった。来てくれてありがとう。』
と、言ってくださいました。
この言葉に僕達はまた元気をもらってしまいました。

ヨシテルさんも震災で愛する家族を失いました。
かつては仕事にも後ろ向きな時期もあったそうです。
でも、今は誰よりも前に進もうとしています。

今回、水産加工と言う僕にとって大変貴重な経験を与えてくれた。
そして、水産が財産だった浜が震災から立ち上がる姿を見せてもらえた。
これはこれからの僕の人生において、
凄い財産になりました。
どこかで、不安に思っていた何かが吹っ切れた感じがありました。

命ある限り、人はまた立ち上がり前に進んでいける。

命の大切さと、人の強さを知りました。

ヨシテルさん、本当にありがとうございました。
また、必ずワカメの釜炊きを手伝いに行きます。